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A「先輩がまだ前の彼女を好きなことは分かってます。だから、今すぐどうこうなりたい訳じゃないんです。」
私は先輩の友達にも、
良い後輩にも、なりきれない。
それ以上の関係を望んでしまっているから。
A「前に言った通りに、何でも話してくれていいんです。彼女の話を聞かされても、不思議と嫌じゃないし。」
今まで通りだっていい。
ただ、ひとつ。
違っていることを、
先輩が知ってくれているなら。
A「少しずつでもいいから、変わっていきませんか？」
ただの先輩と後輩で、
気兼ねなく話せる良き相談相手。
だけど私が先輩を好きになったように、
気持ちは変わっていくから。
A「恋愛できない、って。好きな人が出来ないって嘆くより、よっぽど前向きって思いません？」
ニッコリと笑う私に、
唖然とした表情で固まっている八乙女先輩。
いつもと立場が逆だな。
先輩が話し出すまで少し待ってみたけれど、
先輩は頭を抑えたり、首を傾げたり、振ったり…
体は動いても言葉は出てこないようだった。
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作者名：環
| 作成日時：2019年4月14日 10時
