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A「侑李は、他の誰かを想ってる、自分を好きじゃない女なら…誰でも良かったんだよ。」
そう。
私でなくても良かったんだ。
たまたま近くにいて、
大貴を想って、
自分と同じ目をしていた。
ただそれだけのことで、私を選んだ。
A「私たちが付き合い始めた理由…があったとしたら、お互い誰かを想う気持ちに気付いたってだけなんじゃないかな。」
言いながら、切なさが込み上げてくる。
私にとって、侑李にとって。
ただ傷を舐め合う相手が欲しかった。
一緒にいた理由は、それだけだった。
大貴「…よく分かんねーけどさ、それが大事だったんじゃねーの？」
A「え？」
でも、私が誰でも良かったのかと問われれば、
そうではなかった。
もしかしたら、
最初は誰でも良かったのかもしれない。
誰でも良かったと、思っていた。
傍に居てくれるなら、
利害が一致している侑李は都合が良かった。
大貴「最初に知念の気持ちに気付いたのがおまえだった。それが、大事だったんじゃない？」
だけど、どんなに辛かった時も隣にいてくれたのは侑李だった。
一緒に泣いてくれたのは侑李だったから。
侑李以外の、誰でもなかった。
大貴「Aは、知念以外でも良かった？」
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作者名：環
| 作成日時：2019年2月23日 10時
