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目眩がした。
全く意味が分からない。
だって、大貴には彼女がいる。
私は彼に失恋している。
なのに、一体何処がどうなって私のことを好きだったことになるというのか。
A「え、それ、なに？いつの話？」
大貴「えー？バイト始めてわりとすぐのときから……1年くらい？」
A「待って、ちょっと意味分かんない。
え、何？じゃあなんで大貴彼女いるの？」
大貴が、私のことを好きだった。
その時期は紛れもなく、
私が大貴を好きだった時期と重なっている。
何が、どうなっているのか。
妙に混乱した私が繰り出した問いは、
けれどもかなり的を得た良い質問だと思う。
大貴「おまえと知念、なんかいきなり仲良くなりはじめたじゃん。そんで俺が落ちてた頃、あいつが声掛けてきて。」
あいつ、とは彼女のことだろう。
その点は簡単に合致した。
けれど、可笑しいのはそこではない。
明らかに、不可思議な点がある。
A「……なんで侑李と私が仲良くなったら大貴が落ち込むの？」
侑李と付き合うことになったのはその時期よりももっと後だった。
大体、侑李が私に声を掛けてきたのは、私が大貴のことを好きだったからという、なんとも意地悪な理由から。
それだけというのに、何をどうして、
大貴が落ち込むことがあったというのか。
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作者名：環
| 作成日時：2019年2月23日 10時
