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大貴が、私を迎えに来るだなんて。
少し前は、こんな日を夢見たこともあった。
でも今となっては、本当にただの夢にすぎなかった。
大貴「あー、なんつーか……なんかあった？」
A「……え？」
大貴「てかむしろ俺、おまえになんかした？」
A「、は？」
そんな夢が叶う日が来ようものなら、私は嬉しすぎて卒倒してしまうと思っていた。
今からそう遠くない、あの頃のこと。
でも、今の私は変わってしまった。
ただ大貴の来訪に驚いたというだけで、
この胸は決して高鳴ったりしない。
A「何、いきなり。」
大貴「いや、知念が、」
A「っ！」
代わりに、彼の口から飛び出した侑李の名前に心臓を震わせる。
最低な変化。
大貴「知念から昨日電話あって、Aと何かあったかって怒られて……」
A「…………、」
大貴「俺のせいで、喧嘩でもした？」
おそらく、私が侑李から逃げて電話にも応対しなかった後、彼は大貴に電話をしたのだろう。
それはつまり、侑李はまだ少なからず私が大貴を好きだと思っているからであって。
侑李は、『大貴を好きな私』のことを心配している、ということだった。
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作者名：環
| 作成日時：2019年2月23日 10時
