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それに、侑李には私の部屋に置いてある様々な少女漫画たちを馬鹿にされたこともある。
やれ日記だ、やれアルバムだ、
漁られそうになったことも。
彼を１人にしておくと、危険だ。
色々な意味で。
蜂蜜レモンをご馳走してあげるから、と言って
侑李にお金を借りるのも、なんだか変だし。
A「あれ、まだ来てないや。」
バックヤードを通って従業員入り口から、いつも侑李がいる方を見やると、その姿はなかった。
侑李の方が遅いなんて、珍しい。
今日はバイトが終わるのと、侑李の授業が終わるのが同じくらいの時間だったはず。
移動の時間を考えて1時間、控え室で時間を潰してから出てきたつもりだったけれど、それでも少し早かったみたいだ。
先日買った文庫本を取り出して入口の扉の邪魔にならないようにしゃがんで寄り掛かる。
そこは、いつも侑李が私を待っている場所。
そこで、いつか侑李が読んでいた本を読む。
最近では、侑李が読んだと言う小説や、
よく読んでいる作家さんの本も読むようになった。
そのおかげか、舞台や映画、あんなに興味のなかったゲームにすら、かなり詳しくなった。
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作者名：環
| 作成日時：2018年12月18日 15時
