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全くもってその言葉の意図が分からなかった。
あまりに唐突で意味不明。
侑李「Aはお勉強頑張って。」
A「…っ、なにそれ！」
侑李はまた声を出して笑った。
最近の侑李はこういうことが多い。
特になんでもないようなことで、私をからかおうとする。
その度に楽しそうに声をあげて笑う。
私も怒りはするけれど、
腹が立つことはあまりない。
店長が婚約したことによる侑李への心配も、
最近はなくなった。
侑李「それじゃ、僕は映画観るから。」
A「はいはい、そうですか。私はお勉強しますよ。」
侑李「うん。頑張れ。」
やはり楽しげに声を揺らしてから、
侑李は電話を切った。
受話器から離れながら、
咳をしたのが聞こえた。
A「……やっぱり、咳してんじゃん。」
受話器を戻しに廊下へ出ながら、呟く。
結局、私は家族に嫌味を言われながら、
侑李が観たいと言った映画を最後まで観てやった。
そして終わった後。
眠い目を擦りながら、パソコンに向かって作業をする羽目になったのは、完全に自分のせいなのだけど。
頭に侑李の顔が思い浮かんで、
私は思い切り睨まずにはいられなかった。
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作者名：環
| 作成日時：2018年12月18日 15時
