フェイクラバーズ②…Yuri.C (ページ36)

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軽く着崩したスーツを身に纏っている侑李は、
当然ながら普段とは違う雰囲気を醸し出していた。

その後ろ姿は、いつもよりも大人っぽい。

気付けば私はいつの間にか、彼のそんな風貌の変化にも目を向けるようになっていた。

カジュアルな私服も、綺麗めなスーツも、
端正な顔立ちを更に引き立てる。

と、いうよりもバイト先でユニフォーム姿ばかり見ていたのが変わっただけで、また別の魅力が露わになったように思う。

本当に、今更のように感じてしまうそれはまさに、私の意識の変化がもたらしたことなのだろう。

「新郎新婦の入場まで、今暫くお待ちください。」

侑李「A？なに変な顔してんの。」

A「え、いや、別に……？」

侑李は親族席のはずだったけど、そこから少し離れたところに、2人並んで腰を下ろして。
目の前には、先程遠目で見た薮さん達が並んで座っていた。

店長の配慮だろうけど、私にとってはこの席でも完全に居心地が悪い。

いや、それが侑李に指摘された“変な顔”の原因ではないけれど。

侑李「この人達のことなら気にしなくていいよ。ほら、空気だと思って。」

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