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侑李「メディアでも話題になった会社だし、女の人も働きやすいらしいし。」
A「いや私、侑李ほど優秀な人間じゃないんですけど…。」
侑李「悪いけど僕、全力で頑張ってうちの会社決まったわけじゃないからね。」
A「……そうですか…。」
恨めしそうに言うと、
侑李は楽しげに声を揺らした。
冗談はさておき、なんて、何処から何処までが冗談だったのか、またもや私の表情を崩すことを言いながら頬杖をつく。
侑李「行きたい会社とか、やりたいこととか、分からないのは別に悪くないんじゃない。
むしろそういう人の方が多いでしょ。
今からやりたいこと探しする時間もないし、何もうちだけ受けろって言ってるわけじゃないんだから、とりあえず数打てば？
それに楽でしょ。
迎えに行く手間も省けるんだから。」
A「…………。」
あたかも正論を述べるかのような、その口調。
私が言葉を発せなかったのは、
そのことに唖然としたからではない。
頬が、熱い気がする。
お門違いだけれど、今の発言は私を動揺させるには充分だったから。
次の春、そのまた次の春が訪れる頃にも、
彼の毎日に私がいても良いと言う。
それが、妙に気恥ずかしく感じられた。
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作者名：環
| 作成日時：2018年12月18日 15時
