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A「っ！！」
そこで気が付いてしまった。
心臓が、飛び跳ねたことに。
A「……痛く、ない…。」
侑李「……は？何が。」
痛くない。
痛くなかったんだ。
今、胸は少しも痛んでいない。
どうしてだろう、なんて。
侑李「どこか怪我でもしてたわけ？」
A「ううん、してない。」
侑李「じゃあ、何。」
A「なんでも、ない…。」
侑李「はあ……？」
だって、私。
さっきなんて思ってた？
私、ひどく冷静に大貴のことを考えていた。
そして、今日。
今日の私は、
A「侑李、風邪……大丈夫？」
侑李「何言ってんの、風邪なんか何日もひいとくもんじゃないよ。」
侑李の風邪の心配ばかりしていた。
侑李のことばかりを考えていた。
今日だけじゃない。
ずっと。
ずっと、だ。
いつからか、私は大貴よりも侑李のことを考えている時間が長くなっていた。
侑李「…明日、遊園地にでも行く？」
侑李は私に気を遣ったのだろう、
そう提案してきた。
いつかの、私のように。
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作者名：環
| 作成日時：2018年12月18日 15時
