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A「……大貴…頭でも打った？」
思わず顔が赤くなってしまったのは不可抗力だと思う。
良い女だ、と言われて頬を赤らめないでいられる女がいるだろうか。
いるとしたら、相当言われ慣れている、
きっと魔性の女だ。
大貴「……ははっ！かもな！」
そうしてもう一度笑って見せた大貴は、
私に片手をあげて別れを告げた。
大貴「じゃーな！サンキュ！」
その後ろ姿を見送りながら、茫然としていた。
大貴が大貴らしからぬ発言を大量に残していったこともそう。
彼はもしかしたら、私が考えているキャラとは少し違ったのかもしれない。
意外と女々しい部分があったのかもしれない。
たまに軟派なことを言ってしまうような、
そんな計算高いと言える面もあったのかもしれない。
少しだけ照れくさいことも素直に言えてしまう、
そんな天然な一面もあったのかもしれない。
冷静に考えると私は、私の中でかなり大貴を男前に仕立て上げていたのかもしれない、と思う。
「あのさぁ、馬鹿じゃないの。」
そこで浮かんだ疑問に対して答えを出す前に、
大貴が去った方向とは反対側から声が聞こえた。
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作者名：環
| 作成日時：2018年12月18日 15時
