フェイクラバーズ②…Yuri.C (ページ1)

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A「…………ばか、」

「え？」

なんて、馬鹿な人だ、と思った。

そして、同時に

A「店長…、」

どうしようもなく、愛しいと思った。

A「私、侑李と付き合ってるんです。」

私が言わずとも、彼女は私たちが付き合っているということを知っていたとは思うけれど。

それでも口にしたのは、何故だったのか。

侑李のためだったのかもしれない。

意味はなかったのかもしれない。

ただ、伝えたかった。

店長は笑って、侑李をよろしくね、と言って
私は何も言えずに頭を下げて踵を返した。

彼女が一瞬でも寂しそうな顔をしてくれれば、
侑李は報われると思ったんだ。

だけど、現実はそう甘くはない。

再び侑李を探そうと走り出した私の目に、
彼の姿が飛び込んで来たのは直ぐだった。

いつから、見ていたのだろう。

侑李「人の家の前で、何してんの。」

通りの先にいた侑李は、
なんとも下手くそな笑顔を浮かべていた。

侑李「ばかじゃないの、」

それは、私の台詞だ、と思った。

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