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A「……綺麗なところだね。」
侑李「ああ、うん。そうだね。」
教会と繋がった披露宴会場を出れば、可愛らしい造りの中庭が広がっていた。
アーチや噴水などが一々お洒落で、
新郎新婦のセンスの良さが表われているよう。
感心なんて、したいとは思わなかったけれど。
侑李「そういえば、A、」
A「ん？」
侑李「今日、いつもと顔違う。」
A「……あー、うん。お母さんが折角なんだから、綺麗にしていきなさいって、いつもより念入りに、ね。」
今朝の母親との論争を思い出して苦笑しながら侑李に答える。
普段の彼だったら、会ってすぐにつっこんでくれたことだったかもしれない。
けれど、今日の侑李は今になってから口にした。
店長のことで余裕がなかったのだろうか。
彼女のドレス姿に、
胸を痛めていたからだろうか。
侑李「ふーん。まあ、いいんじゃない。」
A「何それ。」
侑李「いつもと雰囲気違って、ちゃんとして見える。」
A「ありが……え、それ、褒め言葉なの？」
侑李「勿論だよ。」
そんな侑李の言葉に短く笑い声を上げると、彼もつられて笑った。
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作者名：環
| 作成日時：2018年12月18日 15時
