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それをキッカケとしたのか。
私はまた大貴とよく話すようになった。
シフトに入る日や時間が変わってから、すれ違っても大した会話もなかった私たちが、今や足を止めて長話をするようになっていた。
侑李はそれを、良かったじゃん、と言う。
A「まあ、大貴もあれから上手くいってるんでしょ？良かったよねー。」
その言葉は、すんなりと私の喉元を通過した。
きっと、侑李が予想するよりも遥かに、あっさりと。
数ヶ月前の私にとって、こうして大貴と言葉を交わすことは何よりも強い願いだった。
しかし、今こうして実際に彼と向き合っている私にとってはどうだろう。
大貴「A様々だわ、まじで。」
A「本当だよねー、」
軽快に喉を鳴らして、大貴と向き合っている私にとって、この状況は果たして胸が高鳴るような構図だろうか。
いや、決して悪いことではない。
けれど、あの頃とは違う。
胸が、躍っていない。
大貴「んじゃ、知念によろしくなー。」
A「ん。大貴も彼女によろしくー。」
心の中で『よく知らないけど』と付け足して、大貴に別れを告げる。
その後でなんとも爽快な気持ち。
今までは決して口にしたくなかった、その言葉。
大貴の彼女に、
誰がよろしく出来ると言うのか、なんて。
A「…………、」
それというのに、
最近の私は何かがおかしかった。
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作者名：環
| 作成日時：2018年12月18日 15時
