フェイクラバーズ…Yuri.C (ページ6)

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侑李は『店長の従弟』という色眼鏡を抜きにしても、他の社員や、バイト仲間からの評価は抜群に高かった。

監査に来た本社の人から大絶賛の通達が来るほどの仕事振りで、とにかく凄かった。

毎月店内で選出するMVP店員に17ヶ月連続で選ばれる程完璧で、新人指導も卒無くこなす。

更に、彼の恋焦がれる相手である従姉がこの店の店長だということもあってか、

侑李は辞めるはずだった年末からは延びに延びて、
3月の半ばを迎えた先日、
ようやく店から送り出された。

試験期間中でもシフトを減らすことはなく、彼は大学に通っていながら成績上位をキープし、特待生をこなしているというのだから、全く恐れ入る。

しかも、その時々自分のやりたい事を優先する為に、学業はある程度手を抜いているのだ、と彼は言う。

今後は就職活動に忙しくなると聞いているけれど、侑李のことだ。

難無く内定を貰ってくるのだろう。
そして山田くん辺りから恨まれるに違いない。

A「教育実習、どこの学校行くの？遠い？」

侑李「電車で3駅の大して遠くない近所の高校。
むしろ大学行くより近いよ。」

前の席に横向きに座って頬杖をついている侑李に、此方も同じように頬杖をついて話し掛けた。

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