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なんて、幸せそうなのだろうと思った。
「Aさんも、結婚式、来てね！」
私も侑李もお世話になってることだし、招待するから、と。
やはり店長は嬉しそうに楽しそうに、笑った。
花が開くように笑う彼女は、素敵で、
そして、なんて残酷なんだろうと思った。
私は、侑李が店長と一つ屋根の下に暮らしていたことを改めて考えた。
此処で、彼は順調に交際を続ける店長を、
毎日のように見てきたというのか。
こんな風に笑う彼女を間近で見ていたのだろうか。
なんとなく、ぼんやりと考えていた時とは違う想いが芽生えて、胸が、軋んだ。
もしかしたら、彼はひどく心を痛めていたのかもしれない。
毎日のように、幸せそうに微笑む彼女を見て。
その表情をさせているのが自分ではないことに、
ひどく傷付いていたのかもしれない。
だからこそ、彼は私に対して完璧な彼氏だったんだ。
侑李が私にしてくれた、
その何れもが、本当はきっと。
きっと、
彼女にしてあげたかったことなんだろう。
店長にしてあげたかった全てを、
私にしてくれたんだ。
そうして、驚いたり喜んだりする私を見つめながら、彼は……
いつも彼女を想っていたんだろう。
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作者名：環
| 作成日時：2018年11月3日 16時
