フェイクラバーズ…Yuri.C (ページ40)

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4月。
私も侑李も問題なく進級した。

新年度の授業の関係で、大貴とはシフトの時間帯がずれて、少しホッとした。

元々入る曜日が違う大貴の彼女とも、同じになることはなかった。

侑李はと言えば、流石に毎日大学に来ることはなくなって、それでも私がバイトの時には迎えに来てくれた。

実習の間はメッセージを送りあったり、
少しの時間電話をしたりして、

短いような、長いような会えない3週間を過ごした。

そうして月日が流れて、

気が付けば私たちは2つの季節を一緒に過ごした。

侑李「髪、切ったね。」

A「……よく分かったね。」

それは、付き合い始めてから2ヶ月半が経ったくらいのことだっただろうか。

ほんの数センチ、毛先を切り揃えただけの変化に侑李が気付いた。

家族でさえ誰一人気付かない程のその些細な変化。

侑李「当たり前でしょ。」

そうして彼は笑ってみせた。

侑李「すっきりして、いいんじゃない。」

付け足されるように、あまりにさり気なく添えられた言葉の意味が、最初は分からなかった。

すぐに私の髪型を褒めようという意味合いが含まれていたことに気付いたけれど、
侑李の目は、再び雑誌に戻っていた。

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