フェイクラバーズ…Yuri.C (ページ1)

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「…大貴、彼女と最近どんな感じ？」

「…店長は今日もデート？」

アルバイト先の控え室。

業務日誌にペンを走らせながら、
侑李に言葉を返した。

普段は仕事を終えると直ぐに帰る侑李が
この控え室にいるのは珍しい。

若くしてこの店の店長を務め、侑李の従姉でもある『彼女』が原因だろう、というのは間違いなかった。

そもそも今日、
目の前の人物はシフトに入っていない。

じゃあ如何して此処にいるのか。

同じバイト仲間で、侑李としょっちゅう一緒にいる社員の薮さんは、上がる私と入れ違いに店内に入っていった。

そして先程まで私と一緒に働いていた大貴の姿も、既に此処にはない。

彼等が侑李の相手をしていないとなれば、これまたしょっちゅうつるんでいるゲーム仲間の山田くんや、中島くん、岡本くん。

その誰とも一緒にいない所以はひとつだけ。

1人になりたい。

でも、独りにはなりたくない。

そんな、衝動。

侑李「……阿呆らしいね。」

A「どっちの話？」

侑李「……お互い様。でしょ？」

私たちは、お互いのことをよく理解していた。

今、何を考えているのか。
誰を、想っているのか。

所謂、同属みたいなもので、
変な仲間意識を持っていたんだ。

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