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山田「え、なに、どした知念？」
中島「知念がヤマん家来ないなんて、めずらしー。」
山田くんに続いて中島くんが言った。
侑李がどれだけ山田くん宅に入り浸っていたのかは知らない。
だから、私が驚いたのは侑李がゲームを断ったことではなくて、彼等の誘いを断った、ということで。
何せ、彼が私を優先する理由が、
どうにも見つからなかったから。
侑李「ちょっとは察してくれない？」
最早私が大貴たちよろしく一般聴衆に成り下がって、侑李の台詞の続きを待ってしまったのは、その為だ。
侑李「邪魔、しないでね。」
まさか。
吃驚するほどに綺麗に笑ってみせた侑李が、暗に込めた意味合いの中心に自分もいるとは思わなかった。
お陰様で、聴衆の一人に過ぎなかった私は、うっかりその他大勢の皆様と共に、ぽかんと口を開いてしまうこととなった。
侑李「A、行くよ。」
A「あ、――う、うん。」
半ば放心状態の私に一瞥をくれてから、侑李は再度歩き出す、
私は慌ててその後を追う。
そうやって侑李以外のゲーマー御一行様方に背を向けて、小走りに侑李の後ろ姿を追ったけれど、
その足も直ぐに止まることになる。
「なぁ、知念。」
他の誰でもなく、
大貴が私たちを呼び止めた。
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作者名：環
| 作成日時：2018年11月3日 16時
