フェイクラバーズ…Yuri.C (ページ13)

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大貴「あれ、え、何、おまえ等わざわざ…あ、飯でも食いに行くの？」

タイミングが良いのか悪いのか。

数日シフトがかぶらなかった為、私たちの状況など露知らずの大貴と店外で鉢合わせ、彼は幾らか驚いた様子で私を見下ろした。

侑李「大貴は今日彼女と何処か行くの？」

大貴「は？なんで？」

侑李「僕等はそこ以外のとこ行くよ。」

大貴へと言葉を返したのは私ではなく侑李だった。

口の端を持ち上げて、
半ば冷めたような笑みを送る。

だけどその嫌味は、大貴に真意を伝えられるようなものではないだろう。

案の定、大貴は訳が分からない、といったように、眉根に皺を寄せて分かりやすく疑問符を浮かべていた。

A「い、行こ、侑李。」

侑李「ああ、うん。」

侑李の背中を押して、私たちは店から離れた。

それから侑李は、
もう一度大貴へと視線を馳せる。

侑李「大貴には言わないでおく？」

A「え？」

侑李「僕たちが付き合い始めたってこと。」

A「あー、別に隠すこともないけど……。」

僅かに此方を振り返って、何となしに問われた。

それが彼なりの気遣いであるということは、知っている。

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