イエスorイエス②…Daiki.A… (ページ10)

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大貴「Aー、用意できた？」

A「あ、うん。」

大ちゃんに尋ねられて、そっと荷物を握って頷いた。

鞄の中の荷物は、数日分の服と勉強道具だけ。

貴重品を別の鞄に入れることにして、
他の物はひとまず部屋に置いておくことにした。

ここら辺の住宅街には似つかわしく無い、有名な車の後部座席に荷物を置いて、助手席に腰を下ろす。

いつになっても慣れない車での居心地を探しながらシートベルトを装着していると、大ちゃんがエンジンをかけた。

大貴「あ、そうだ。俺多分ちょっと家あけると思うけど、心配しないでいいから、」

A「え？」

数日後、情報解禁された朝のニュースで大ちゃんの名前を聞いたとき、

やっと私の頭がその言葉の意味を理解した。

＊

それから宣言通り、大ちゃんは海外での仕事に行ってしまって、

一緒に暮らすと決まったはずなのに、
広い部屋には私一人。

オートロックの扉を鍵で解除して中に入る。

毎日手入れされているロビーを抜けて、エレベーターホールの前でエレベーターが来るのを待っている間、点灯を続ける数字を眺めていた。

状況が状況なだけに、大ちゃんの家に住むことを雄也はすんなり納得し、光くんは渋々ながらも賛成してくれた。

だけど、光くんに言われた言葉が、

脳裏にこびりついて離れない。

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