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見上げた先の大ちゃんは丸い目を益々丸くさせていて、自分の背中に彼の左手が回ってきたのを感じた。
それから腰の辺りを、優しく撫でるように掴んだ。
大貴「だってここ女物しかないし。
だからA狙われたん
じゃねーの？」
A「そう、なの…かな。」
大貴「カーテンも如何にも女っぽい色だし、表札もねーから一人暮らしってすぐ分かるし、危ないって。」
A「あぶない、かぁ…。」
淡々と指摘を続ける大ちゃんに不安が倍増して、手元のマグカップを忙しなく弄った。
たまたま今日、あのタイミングで大ちゃんが来てくれたから事なきを得たけど、
もしかしたら…
次はそうはいかないかもしれない。
足元の浮いたような不安感から足が再び揺れ始める。
手にしていたマグカップを、右から伸びてきた手が掴んで、テーブルの上に置いた。
大貴「これからAが此処にいんの、俺すげー心配だわ。」
A「大ちゃん、」
大貴「おまえしっかりしてそうで結構抜けてるし、」
マグカップをテーブルに置いた手が、今度は私の左手を優しく掴む。
隣に座る大ちゃんを見上げると、少し真剣な眼差しを向けられていた。
大貴「しばらく、俺んとこ来る？」
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作者名：環
| 作成日時：2018年8月26日 15時
