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「光くん、内定おめでと。」
「お、さんきゅー！」
この何日か、色々あって、
直接伝えられていなかった。
フリースペースで勉強している光くんを見つけて、挨拶代わりにその言葉をかけた。
光くんは何事も無かったかのように笑顔でそれに応えるとシャツの腕をまくって、机に置いていたシャーペンを力強く握り締めた。
光「こうなると、ぜってー国試受かんなきゃって思うわ。」
A「うん、私も頑張る！」
光「�睫擇蓮�」
A「雄也は実験中。光くんは卒論大丈夫なの？」
光「俺はみんなが実験体だかんね。アンケート集計に必死。Aは？」
A「っ、順調だよ。」
半分本当で、半分は嘘だった。
私の卒論のテーマ。
それは、
『パフォーマンス向上の為の食事のタイミングと構成』。
光「…あー、そっか。お互い頑張ろーなー。」
その光くんの何の気なしの物言いに少し悲しい気持ちになったけど、
顔に出さないよう、私もただ素直に笑い返す。
卒論にさえ、
大ちゃんの影がちらついている。
きっと、光くんはそのことを思い出したのだろう。
『分ぁったよ。俺はもう麻希と有岡について何も言わねーから。』
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作者名：環
| 作成日時：2018年8月26日 15時
