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逃げずに勇気を出して、
現実と向き合って、
それを乗り越えて笑う雄也は、強い。
雄也はカッコ悪い、と言ったけど、
そんなわけない。
カッコ良くて、最高にいい男だと思う。
だけど、私はーーー？
結局それから三日も雄也の家に居座り続け、ようやく家に帰ることを伝えた。
落ち着くまでいてもいい、という優しい言葉に思わず甘えて頷きそうになったけれど、ぐっと堪えて首を横に振る。
A「ありがと。でも私も、ちゃんとする。
家に、帰るよ。」
…雄也の話も、聞いたから。
心の中でそっと呟く。
はっきりとそう告げると雄也が柔らかく笑った。
声に出さない言葉が届いたのかもしれない。
雄也「そっか。」
すっきりした一重を細めて柔和な笑みを携えた雄也が私の方に手を伸ばして、頭を優しく一撫で…
するかと思えば、髪の毛をぐしゃぐしゃに崩した。
心まで擽られたようで、顔も自然と綻ぶ。
膨れた旅行鞄を肩にかけ、雄也の家を出た。
外は寒くなりはじめていて空は透き通り、
綺麗な白い雲を浮かべている。
大判のストールを肩に巻きつけ、
真っ直ぐ自分の家へと向かった。
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作者名：環
| 作成日時：2018年8月26日 15時
