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大幅に遅れた食事を終えて、洗い物を水につけたまま洗濯機へと向かった。
洗濯物をカゴの中に取り出しながら、
鈍く痛む腰をさする。
ベランダへ向かい、洗濯物を干していると秋の風が体をすり抜けて部屋の中へと入った。
空は薄雲が途切れ途切れに浮かんでいる。
今日の月は下弦。
大貴「Aー、フロ入ろー、」
寝室から出てきた大ちゃんが、洗濯物を干している私に気が付くとスタスタとベランダへとやってきた。
大貴「干してくれてんの？」
A「うん。」
大貴「ありがとね。」
大ちゃんはそう言って、ベランダの窓に手をかけながら身を乗り出し、私の額に口づけを落とした。
嬉しさと気恥しさから、顔を逸らして最後の一枚をハンガーにかけた。
大貴「終わり？」
A「うん、終わり。」
大貴「じゃあフロ！」
A「ちょっと待って、まだ食器洗ってない…。」
手を引っ張られて、お風呂場向かおうとした大ちゃんを引き止める。
大貴「そんなんあとでいーじゃん！」
A「でもお風呂入った後はゆっくりしたいし、」
大貴「俺やるから！」
A「いいよ、大ちゃん疲れてるでしょ？」
大貴「…じゃあ先入ってるから、終わったら入ってきて。」
A「……うん。」
少し不貞腐れたように言うなり、大ちゃんは踵を返すとそのままお風呂場へ向かった。
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作者名：環
| 作成日時：2018年8月26日 15時
