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思い浮かんだあの後ろ姿を思い出し、背中に手を伸ばした大ちゃんの姿にまた胸が痛む。
A「でも背中に、こう、手を…」
大貴「え？んなことしたっけ？」
A「……してた！」
大貴「いや違う違う、レディファースト的なやつで！それ以外ない！ぜってーない！」
私の腰を支えたままの腕に力が込められて、首を大きく左右に振る大ちゃんに渋々頷くも、まだ拭えていない不安を口に出した。
A「……合コン。」
大貴「…ごめん！事務所の先輩に呼ばれて、行ったらそうだっただけで、」
A「……………。」
大貴「まじで行くまで知らなかったんだって！
先輩の手前帰るわけにいかなくて、渋々で、俺本っ当に帰りたかったの！
でも社会の上下関係のルールってやつで…常識っつーかマナーっつーか、一応、連絡先交換しなくちゃで、」
必死に謝る大ちゃんを見ていたら、
悲しい気持ちはいつのまにか消えていた。
大貴「まじ、俺はAしか、ないから。」
何とか分かってもらおうと必死に縋り付く大ちゃんの様子に、じわじわと込み上げてきた笑みが思わず零れてしまう。
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作者名：環
| 作成日時：2018年8月26日 15時
