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A「じゃ、じゃあ！
なんで、夜中に来て帰って、たの？」
大貴「なんで、って…。だって駐禁。」
予想外の言葉に目が点になる。
まさか聞き間違いかと思って、もう一度尋ねた。
A「えっ……と。今、ちゅうきん？って言った？」
大貴「ん？そう。駐禁。
Aんちの近く駐車場ねーじゃん。前路肩に停めてたら駐禁の張り紙されててさー、多分俺の車覚えられてんだよね、警察に。」
A「そう、なの？」
大貴「んー。しかも映画公開の後とかだったから結構マスコミが騒いでんの。
最近特に週刊誌に気を付けろーってマネージャーにも言われてて、普通の時間に出歩きにくいんだよなー。」
拍子抜けした。
急に足の力が抜けていくのを感じた。
膝が笑って、思わずその場に座り込みかけると、咄嗟に伸びてきた大ちゃんの腕に寸でのところで腰を支えられる。
未だ呆然とした表情のままの私に、大ちゃんが戸惑うような声を漏らした。
大貴「…え、まさかそれで不安になってた、とか？」
A「…だって…大ちゃん…終わったら帰っちゃうし…、てっきり、それだけの関係なのかなって、」
大貴「なん、…なんだよそれ、バカじゃねーの！
…あー、もー…もーなに言ってんのおまえ！」
鬼のような形相で、まるで信じられない、と言いたげな顔を向けられる。
腰を掴んでいた片手だけが離れると、その手は私の頬をつまんで外側へとぐいぐい引っ張った。
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作者名：環
| 作成日時：2018年8月26日 15時
