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光「……おー、無防備に寝てやんの。」
寝息を立てているAの顔の前に手を振ってみても、起きる気配はない。
手をだらん、と伸ばし髪を撫でると、
Aは嬉しそうに、声を漏らして身動ぎした。
光「………………。」
やばい。
これは有岡が寝込みを襲いたくなる気持ちが、
分からなくもないかもしれない。
危険を感じ、直ぐに頭から手を離して
Aの手が伸びた先を確認する。
伏せられたスマホを慎重に掴むと、
点灯している画面の緑色をタップした。
＊＊
A「………。」
翌朝、寝ぼけ眼を擦りながら静かに起き上がって、隣のお姉さんを起こさないようにそっと布団から抜けた。
あくびを噛み殺し、
昨夜頭上に置いたスマホを見る。
夜の内に何らかの連絡が来ていれば、通知が画面に表示されているであろうそれは、待ち受けにしている画像が全面に見られる状態だった。
(…大ちゃん、来なかったんだな。)
ほっとしたのも束の間、
心には漠然とした寂しさと不安が浮かんでいた。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月28日 23時
