イエスorイエス…Daiki.A… (ページ18)

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しこりのように残った疑問は就活帰りの私の視界に飛び込んできた、

大ちゃんと女性が仲睦まじく歩く姿によって消え去った。

(なんでこんな道、通っちゃったかな…)

暑苦しくて脱いだ上着をリクルートバッグに重ねて持った時、

自分の体がうまく動かないことに気が付いた。

道路を挟んだ向こう側の歩道を、私服姿の大ちゃんと女性が仲良く話しながら歩いている。

もう目はそれに釘付けだった。

ドクン、と心臓が大きく動いて暴れ出している。

それでも、二人は話をしているだけのようで、
おかげで私の自制心は麻痺することなく働いてくれた。

黒のパンプスを履いた足はとっくに痺れている。

動かそうと思うものの、足が上がってくれない。

(大ちゃんが、もし、こっちを見たら、)

己の想像に脇や背中に、じわっと一気に汗が吹き出したのを感じた。

そんな私の焦りなど知らない二人は、
そのままビルのカフェの中に消えようとしている。

「…あ、」

その時、大ちゃんが女性の背中にそっと手を伸ばしたのを見た。

(触らないで、)

目に映ったものに、暗い圧迫感を胸に感じて、
声も出ないほど打ちのめされた。

(こんなの、光くんにも、雄也にも、言えない、)

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