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A「だいちゃ、？」
大貴「んー？」
睡魔を堪えて、隣で服を着ようとしている大ちゃんに声をかけた。
枕から頭をあげようと肘を立て、
ゆっくりと上体を起こすと下腹部が鈍く痛む。
顔を歪めそうになったのをなんとか堪え、
隣に腰を下ろしている大ちゃんを見上げると、
絡まった視線に答えるように、
軽く笑って首を傾げられる。
大貴「ん？どした？」
(ああもう、可愛い、な、)
暗がりに浮かぶくるくるの瞳を見つめながら、
ぼんやりと、そう思った。
床のズボンに伸ばしていた手が私の方に向きを変えて、頭を二回、優しく叩かれる。
左手首のブレスレットが揺れている。
A「あのね、私、行ってみたいイタリアンのお店を見つけて、」
大貴「へえ、いいじゃん。」
A「大ちゃん、今度、行かない？」
飛ばしそうになる意識を必死に引き留める。
行こっか。
その言葉を期待していた。
だから、大ちゃんの声が直ぐに返って来なかったことに驚いて、息が詰まった。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月28日 23時
