メルトサマー②…Ryosuke.Y... (ページ8)

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慧「サボりー？だーめだって。
俺ですら出んのに？
そもそも山田は大事な戦力なのに？」

涼介「…知らねーよ。」

慧「テストとか部活とかで疲れてんのは分かるけどさ、誰かがやる気なくすとみんなまでやる気なくなんじゃん。
おまえ影響力あんだからさー、」

伊野尾君はあいつにゆっくり近付いていき、今までよりずっと声を小さくしてみんなに聞こえないようにしていた。

伊野尾君の言うことはもっともだ。

実際、今もあいつがサボると言い出したことでグラウンドに行こうとしていた他の男子たちまでサボろうとしているのだから。

伊野尾君は分かっていた。

明らかに向いていない球技大会なんて、真っ先にサボりそうなのに、そう、しなかったのは、

自分にも少なからず影響力があることを、
彼が分かっていたから。

だから、真面目な伊野尾君はずっとみんなに気を使いながら盛り上げてきた。

それでもあいつは本当に気が乗らないというか、
機嫌が悪そうで、

何も言い返さずに見限って教室を出て行こうとした。

そんなあいつを伊野尾君はまた呼び止める。

だけど、それはだんだんとクラスのみんなの目を集めることになっていってしまっていた。

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