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涼介「別にいーよ、我慢すんな。
泣きたきゃ泣いて、言いたいことあんなら言えって。ムカついてんなら怒れよ。
なんでも聞くから。」
怒ってるような声で、
不満いっぱいな顔で、
だけどどこか、
どこか、崩れそうでもあって。
涼介「だから、もう無視、すんなよ……。」
急に弱い、弱い、声で。
A「………ねぇ、涼介は……、
もう、私のこと好きじゃない……？」
ぼたり、ぼたりと落ちる涙で揺れる声は、
所々を消し去ってしまう。
だけど振り絞って出した言葉は、
胸につかえた不安を吐き出した。
涼介「……ずっと好きか、とか、どれくらい好きか、とか、
そんなの付き合ってよーがなかろーが、一緒だわ。
…分かんねーよそんなこと。
でも、」
目の前で見下ろす涼介は苦く目を細めて、
その表情が崩れてしまう前に、
静かに私の肩に頭を預けた。
涼介「おまえと別れて、
…Aと別れて良かった、
なんて思ったこと、一度もねーよ。」
A「…………………、」
振動で伝わる声が耳元で生まれて、
体中に染み渡っていく。
何故だかふと、涙が止まって、
私を力尽くで抱き締めて、
震えている目の前の体を、受け止めた。
.
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月16日 19時
