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雨は降り続けることなく、
最後の雨から2〜3日が経った頃に
あっけなく梅雨明けを迎えた。
1学期の期末考査は始まり、山のような科目と出題に頭を抱える日々を何とか乗り越え、
気分晴れ晴れに空を見上げたときには、大きな太陽と抜ける青空が相重なった、綺麗な夏になっていた。
「じゃーバスケチームは体育館、サッカーはグラウンド集合なー。」
「女子はみんな体育館集合ねー。」
テストが終わり、緊迫していた学校中がその固まった空気を溶かしていくと、次は息着く間もなく球技大会が待っていた。
テストで疲れたみんなはこんな時期の球技大会を鬱陶しがっているようだったけど、率先してやる気という訳ではなさそうな伊野尾君でさえみんなに声をかけ、盛り上げようとしていたから、みんなも少しずつ楽しもうとしていた。
やる時はやる、というか。
彼は適当そうに見えて、
根は真面目なんだろうと思う。
慧「Aー、ちゃんと練習しろよー。
顔面キャッチすんなよー。」
A「うるさいなぁ、早く行きなよグラウンド！」
慧「俺サッカーだけになっちゃったから見守ってやれねーけど頑張れよー、」
A「見なくていい！」
慧「大丈夫だって、運動音痴でも何とかなるって。」
A「あんたも運動音痴だっつの！」
何かとふざけて大声で馬鹿にしてくる伊野尾君にいい加減頭にきて手を振り上げると、伊野尾君は跳ねるように逃げてケラケラと夏の蝉のように大きな笑い声をあげた。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月16日 19時
