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A「翼は翼のままで充分なのに。」
慧「好きな男の為なら変わりたいっていうのがオトメゴコロなんじゃねーの？
翼ちゃんのあの態度じゃ山田にだってバレてそーだけど。」
A「…だよねぇ？」
猪突猛進というか、好きになったらその人しか見えなくなるタイプのようだ。
翼は。
慧「でもま、山田みたいなタイプには、翼ちゃんのあの態度は逆効果な気もするけどね。」
A「ええー、自分でさせといてそんなこと言うの？」
慧「俺は一般的にそーゆー子に男はホレちゃうよって言っただけ。俺はキャンキャン寄ってくる子より、猫みたいにふいっと顔背けちゃうよーな子の方が好きー。」
A「ふーん？」
意外だ。
伊野尾君には、一緒になってふわふわ笑ってるような子が似合うと思うのに。
慧「Aは？どんなヤツが好き？」
A「私？私は別に…タイプとか、ないかな。」
慧「ねーの？イケメンが好きとか、スポーツできるヤツが好きとか。」
A「んー…？」
慧「じゃあ、山田のどこが好きだったの？」
今の私にこの手の話はなんだか困るなぁと思って、適当に返事をしていた。
そのせいで、あまり伊野尾君の話を頭に入れていなかったかもしれない。
A「………。」
慧「………。」
A「………え？」
そこでようやく、伊野尾君の方を見た。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月8日 10時
