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その次に鳴り響いたチャイムは体を揺るがすくらいに大きく聞こえ、頭の中をさらに混雑させた。
A「…ごめん。ちょっと気分悪い。
保健室、行ってくる。」
翼「え？大丈夫？ついてこっか？」
A「ううん、平気。」
今日は、もうこれ以上、
あいつの存在を感じていられない。
昼休みが終わって教室に戻ってくる人たちの間を逆流して、教室を出て行った。
…何も感じない心があればいいのに。
毎日がずしん、と重いのも、
お腹の奥底が疼くのも、
全部心があるせいだ。
もう全部忘れて、
何もなかったことにして、
生きていたいのに。
＊
A、と声がして、開きにくい目を開けた。
枕に伏せた顔を上げると
カーテンの向こうから翼が顔を覗かせていて、
その後ろには大ちゃんもいて、
どうやら授業が終わったようだ。
翼「はい、カバン持ってきたよー。
気分悪いの治った？」
A「ん、ありがと。」
翼「だいじょーぶ？寮帰れそう？」
A「うん。」
翼と大ちゃんは保健室に来る途中で会ったらしく、でもこの二人が一緒にいるのは見慣れなかった。
どちらも私と友達、ということで紹介したことはあったけど、とにかく話を聞いて欲しい翼と、興味のない話は大抵聞いていない大ちゃんは、絶対に合わないな、と思っていた。
だから、二人並んでいるのは物凄く違和感だ。
保健室に来てすぐ、ベッドの中で今まで抑え込んでいた思いが流れ出て、思い出が蘇って、頭が痛くなるくらいに涙が出ていた。
腫れてしまっているかもしれない。
少し目を伏せながら翼が持ってきてくれたカバンを受け取った。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月8日 10時
