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でも、だからって、
それをすぐにそう恋愛事と結び付けられるのは、
なんだか嫌だ。
私たちが過ごしてきた3年間は、
そんなことばかりじゃなかった。
みんな誰かに恋してたし、
成長するにつれその手の話題は増えていったけど。
でも、私が薮君と仲が良いのは、
彼がサッカー部で、
…あいつと親しかったからだ。
翼「あ、ねぇ、さっき知念君が探してたよー。」
目の前の翼が突然私の後ろの誰かに目をやって、私も思わず振り返ってしまった。
その先に、私の直ぐ後ろに、
あいつがいて、
目が合った瞬間に、
心臓が痛いくらいに胸打った。
何ヶ月振りかに真っ直ぐ視界に入れてしまったその目は、伸びた前髪の下でひっそりと静かにそこにあった。
咄嗟に逸らすけど、
その一瞬で頭の中の、
体の中の、
どこまで奥深くへと入り込んでしまったのか。
息が詰まった。
涼介「あー、さっき会ったわ。」
翼「そーなの？じゃあ良かった。」
あいつは翼と言葉を交わして、直ぐに通り過ぎていった。
その時、軽く当たった左腕と、
掠めていったスカートの端でさえ、
感触を覚えたようで、
じわり、触れた部分に淀みが広がった。
翼「ねぇA、今日サッカー部見に行こーよー。」
A「…、え？」
翼「練習1回見に行きたくてー、付き合ってー？」
A「あ…え、と……」
ドクドクと頭の中に反響する血液の流れる音が煩くて、翼の声をうまく聞き取れなかった。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月8日 10時
