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自然とそうなってしまう。
いや、そうしなければいけない、と
頭が思い込んでいる。
痛みを忘れること、
毎日を楽しもうとすること、
自分の幸せを考えること、
その方が人生絶対にいい方へ向かう、
そんな思考を犠牲にしてでも。
あいつを無視しなければ、という、
…私の意固地な、
自分でもどうしようもない性格が、そうさせる。
宏太「あ、」
ピタリ、と隣の薮君が廊下の先を見ながら足を止め、あっち俺行くわ、と、
なんだかとっても不自然な笑顔を見せた。
なに？と薮君の視線の先を無理やり覗き込んで見てやれば、気遣い屋な彼らしく、
案の定、
私が見ない方がいい現場が其処にあった。
廊下の奥で女の子と二人、
仲良く話しているあいつを見た。
A「………あのね薮君、ほんと、もうなんとも思わないから。」
宏太「…、ごめん。」
A「いえ、謝ることじゃないんですけども。
ねぇ、薮君もさ、高校上がってからさらにモテてるでしょー？」
宏太「俺？俺なんて全然よ。」
A「うそだぁ。外部から来た子が騒いでたよ。薮君は中等部のときから他校の女子にもモテてたし、薮君目当てで編入してきた子絶対いるって。ね、告白とかされてるでしょ？」
宏太「全ー然、……、そんなないって。」
A「あ、あったんだー。誰だれ？誰にされた？私知ってる人？」
宏太「やーめろって。」
ケラケラ笑って、
あそこの掲示板はいっかー、と
忘れた振りをして階段を下りていった。
.
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月8日 10時
