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翼「後ろの人、よく寝るねー？」
A「……ん、そーだね。」
私の机の前で翼が椅子に跨って私に向き合うように座り、私越しに私の後ろの席を見ながら言った。
授業中は仕方ないけど、休み時間は私かあいつ、どちらかが必ず席を立っている。
けど、今日は休み時間になると同時に翼がやってきて、後ろのあいつも授業中からずっと寝ているから、休み時間なのに休まらない状態になってしまっていた。
翼「有名人だよねー、山田君。サッカーですごい期待されてるんでしょ？中等部の時からエースなんだってね。」
A「…んー。」
翼「誰かと話してても山田君の話になるとみんな目の色変わるもん。
F組の子でさ、すっごい堂々とファン宣言してた子いたよ。超ビックリした。ファンクラブとか出来ちゃうんじゃない？」
A「…あー…ねぇー。」
翼「中学の時から人気あったでしょ？カッコいいもんねー。」
A「んー、さあ…どーだろ？」
翼は声が高いから、普通のトーンで話をしていても後ろまで聞こえてしまいそうだった。
かく言う私はいつもの倍小さな声と篭った口で話している。
あいつの話題なんてしたくないし、
ましてや、それを聞かれたくなんてない。
でも翼は後ろの伏せた頭をちらちら見て話し続ける。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月8日 10時
