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大貴「でもマジな話、多分専門かな」
A「ふーん。何で?」
大貴「今から受験勉強とかぜってー無理」
A「…あー。まあ、そうだね」
大貴「今のバイトの繋がりでやりたいこともあるし。その友達がそれ関係の専門行ってて同じとこ行くかな。まあ一人は意外と頭良いから大学通ってんだけどね。
もう一人は多分頭は俺と似たようなもんでさ、」
そいつ地味に遠くに住んでてー、
同じとこ行けば練習すんのも都合良いだろうし、
と喋り続ける有岡に適当に相槌を打つ。
(有岡の学校以外のことって全然知らない…)
有岡にとって学校なんて二の次の存在。
それは何となく分かってるけど、
有岡が何のバイトをしてるのかも
有岡がやりたいことが何なのかも
私は何も知らない。
それじゃあどんなに仲が良くても、
二の次の学校の『友達』は、
彼の優先するバイトの『友達』より近い存在にはなれないのだろうか。
そう思うと、何故だかとても悔しくなった。
大貴「Aはどーすんの?図書館行って勉強するぐらいだから、やっぱ大学?」
逆に尋ねられて、私は首を縦に振る。
A「うん。一応ね。本当は国公立行って家計に優しい子になれって言われてたけど、流石に塾も行かないでそれは無理」
大貴「うおー俺にはしんどい台詞だわ」
いや、でも俺バイトしてるし、
大学たぶん行かねーし、
あーむしろ大学行けって感じか?なんて、
顔を歪ませて鼻の下を擦る有岡を見てクスクス笑う。
だけど私は心では別のことを考えていた。
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作者名:環 | 作成日時:2018年1月26日 17時