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大貴「A好きだ」
突然の有岡の台詞に、私は耳を疑った。
A「……え、ええっ!?」
大貴「ええっ、じゃなくて。
おまえのことが好きなんだって」
動揺しまくりで顔が真っ赤になる私に、
有岡が真剣な顔で詰め寄ってくる。
大貴「Aは?俺のこと好き?嫌い?」
A「き、嫌いじゃないよ…」
大貴「じゃ、好き?」
A「そんなこと……急に言われても困るよ」
「…困られてもこっちも困るんだが」
???
思わずバチッと目を開けると、学校内でも厳しいと有名な数学教師と目が合った。
しかも壇上からわざわざ私の席の真横にまでご出張。
(げっ!!?)
「問題を解いてほしいと指名されるのがそんなに困るのか。顔洗って目を覚ましてこい」
クラス中の笑い声を背に、すごすごと教室を去りながら『なんだ、夢か』と密かに安堵の溜息を吐く。
…そんな話が現実にあるわけがない。
有岡がいなくてよかった。
もしいたら誰よりも大爆笑をかましていたに違いないお隣さんは、この夏休みの講習には相変わらずバイトとやらで来ていない。
部活も引退すると周りはすっかり受験モードで、
講習の毎日。
何だか毎日過ぎるのが早い。
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作者名:環 | 作成日時:2018年1月26日 17時