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そんなに『仕方ない』と割り切ってしまうのは変なのだろうか。
恋愛の酸いも甘いも知り尽くしてるような有岡ティーチャーに言われると、ムッとするより不安になる。
大貴「仕方ないじゃん、で済ませられるとこが凄いんだよ」
今度は器用に白玉の上にみかんを乗せて、それを頬張りもぐもぐしながらティーチャーは語る。
大貴「女ってもっとしつこいじゃん。俺はしつこいの苦手だからAみたいなの嫌いじゃないけど」
そう言いながらも有岡がほんの少しの間私に向けた視線の思惑を、瞬時に理解した。
A「言っておくけど、これでもちゃんと好きだったよ。いや、かなり好きだった」
大貴「あ、バレてた？思ったこと」
A「バレバレです。
好きでもない人と付き合うほど暇じゃありません」
大貴「ふーん。じゃ、あんま恋愛に執着ないタイプなんだな」
淡々と指摘され、私は答えにぐっと詰まる。
改めて考えてみたこともないけれど、そう言われるとそうなのかもしれない。
「別れたい」と慧に言われて「どうして」と訊いたけど、「恋愛感情がなくなった」という答えに「そっか」と言うことしかできなかった。
落ち込まなかった訳じゃない。
さっきは動揺してしまったけど、泣き寝入りとか、しつこく復縁希望とか、そういうのはなかった。
だって、離れてしまった気持ちは仕方がないし。
彼の気持ちが私に向かないことを嘆いたりすることもなかった。
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作者名：環
| 作成日時：2018年1月26日 17時
