私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？陸っ！

45 ページ45

双方の激しい睨み合いが
二人のおでこがくっつきそうなくらいヒートアップしていくのを見て
Aは『あ〜流石にまずい…！！！』と二人の間に割って入る


「あ〜！！！はいはい！
平くん…！嬉しいお言葉だけど…やっぱりそのお題はちょっと恐れ多いし…他にも代替が効きそうなので…今回はすみません…」


少し耳を紅くさせて照れながらも
申し訳なさそうにAが平に向かって断りを入れれば
平もそれには少しばかり痛みを覚えたものの
Aをこれ以上困らせるのは本望ではないため
ここは一歩引くことを選択した

それでも
『これくらいは一歩近づいても…
他の人たちよりも出遅れた分を追いつくためには
いいだろう』
と滝夜叉丸には戦略があった


だってほら
この先輩だって自分に綺麗だと言ってもらえて
満更でもなさそうだ
誰がこの人のことを紅く染め上げたと思う？
それをもう少し色を付け足すくらい
許可などいるまい


「…わかりました
先輩がそう言うのであれば…


ですが、先輩
先輩は【お綺麗】ですよ
この滝夜叉丸が言うんです
それくらいの自信は持っていてくださらないと困ります
それだけは覚えておいてくださいね」


この男、自分の武器は間違いなく顔であることを知っているため
その使い所がまた美味かった
近づくだけならまだなんとかなったかもしれないが
普段はあんまり見せないその表情が
発した言葉に威力を増す


それを受けたAは
情けなく「は…はひ…」と返事をして
その場へと腰を落として座り込みそうなほど
足がガクガクと震えている


もちろんこんな状態
面白くない男がひーふーみ…数えるのやめよう…


「やっぱり一個下の学年くらいの後輩だとさぁ…






…叩き潰したくなるよな？？」

「竹谷先輩落ち着いてください…





その役割はあいつの同級生でライバルの
【私】がやりますので」


竹谷と田村のガチ勢二人が指をポキポキ
膝をポキポキと鳴らせて
準備体操をしているよそに
この【綾部】という男はよくも悪くもマイペースだ



「はぁぁ…この人たち面倒臭い…
A先輩〜


滝夜叉丸が除外ならさっさと次に移ってくださ〜い」


「え、あ、うん…
そ、そうだね


じゃあ綾部くんのは？？」

「そのお題の中だったら

A先輩もどれが僕のかくらい
わかってるんじゃないですか〜？












もちろん



















【嫌いな人】ですよ」

46→←44

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す