私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？陸っ！

47 ページ47

「それは…



















僕が二年生の時にA先輩が鬼の形相で僕のことを叱ったからですよ！！！！！！！！！」

「あれは貴方が入ったばかりの一年生の長屋前に
大量の穴を印もなしに掘ったからでしょ！？！！？」


綾部喜八郎の心からの叫びを
Aは当時のことを遡って論破する

そう、この綾部喜八郎
二年生の時にはもう既に天才トラパーとして目覚めかけているものの、今のように穴を掘ったら印をつけるといった
配慮に欠けていた

それをAは自分の後輩である神崎左門が綾部の仕掛けた罠で危うくケガをしそうになったこともあり、綾部の元へ押しかけては叱咤したのだ

そのことを綾部は四年生の今でも
ず〜っと根に持っているのである



「あの時の先輩の恐ろしい顔
僕は一生忘れませんからね〜？」

「わ、私もあの時は少し言い過ぎたと思うけど…
な、なにもそんなに嫌わなくても…？」



ふん！とAから怒って顔を逸らした
綾部の顔をわざわざ自分が見えるようにAが立ち回れば
それすらも綾部は嫌なようでキッとAを睨みつけてはいつものマイペースさを忘れたように早口でベラベラと述べ始める



「僕が嫌いなのはそこだけじゃありません

先輩は僕が用具委員会に怒られないようにって何個か勝手に穴を埋めちゃいますし〜！！！！？
僕が珍しくたまたま苦無を忘れて穴から出れない時は人が頼んでもないのに縄梯子とかを持ってくるし

お節介なんですよっ！！先輩は！！
僕、そんな子どもじゃないんですけど！？！？

大体貴方だって僕のこと嫌ってるんでしょ！！
三木ヱ門ならまだわかりますけど

この前は滝夜叉丸を実家に連れ込んで！
いつの間にか仲良くなって！！
僕の方が会ったほうが早いのに！！！！
本当に全部っ！！！むっかつくんですよ！！」

「え！？あ！？うん！？ごめんなさい！！！！」




予想だにしなかった長めの怒りをぶつけられた
Aはその内容というよりも綾部の態度に圧倒されて平謝りになる

しかし、この様子を見ていた周りの人間は最初のうちは『理不尽に嫌っている…』と思っていたのだが後半になるに連れて全員がこう思った

48→←46

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す