私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？肆っ！【RKRN】

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静かな夜
静かな廊下
静かな部屋


こんな夜は初めてで
何をしたら良いかわからず俺は布団にただ寝そべる


風呂上がりでろくに乾かしていない髪を伝って
布団に染みを作る

そんな染みを見て
Aが来るんだ
このままじゃまずいと手拭いを手に取り
乱雑に髪を拭く
いつもだったらこんなことしないけど
恋というのはめんどうをあっという間に超えていく



彼女が来るまでの時間がやたら長く感じる












早く会いたくて











会いたくて









「たまらない」








寝そべって思っていることを口に出しても
やっぱり落ち着けず
また起き上がっては
目を閉じ廊下へと耳を澄ませる





外で鳴く虫達の声
キシキシという軽い足の重みでなる廊下
きっとAのだ




こんこんと木を叩く音が
もう俺の部屋のすぐ外から聞こえる
そうすると次はきっと…





「八左ヱ門くん…いらっしゃいますか…？」







来た









Aの声だ








「あ、ああ…入れよ」



緊張しているようなAの声を聞いて
俺もさらに緊張してしまい固くなった声で返し
Aが戸を開ける瞬間を今か今かと待っている




「失礼します…」


「…おほ〜」








戸を開けた向こうには
普段見ることができないAの姿があった







俺と同じ風呂上がりだが綺麗に整えられ
結わずに降ろされた髪

寝巻き姿でいつもより無防備な胸元に脚

恥じらっているその素振りが

男ならばきっと誰だって
色っぽいと思うのだろう






思わず見入ってしまっている
俺をAの声が呼び戻す




「あ…あの…」

「あっ…！？悪い…！！
ここに来るまで誰にも見られなかったか…！？」





立ち止まっているAを部屋の中へと誘い
ここまでの道中を聞く


頼むからそんな姿
俺以外の男に見せないでくれ
絶対襲われるに決まってるんだから





「はい…！なんとか…！
あ、荷物預かってくださり
ありがとうございます…！」

「無事にここまで来れて良かった
布団も敷いておいたから気兼ねなく
ゆっくりしていいからな」






俺はとてもゆっくりできそうにないけど！！！

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