私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？肆っ！【RKRN】

21 ページ21

あれからなんとか掃除も無事に終える頃には
ちょうどよくもう夕餉の時間になっていた
俺の言葉を素直に聞き図書館へと向かっていたAも食堂へと向かっているだろうと思い
今日のメニューを俺も確認してから食堂に入れば





まさに今から食べようと手を合わせているAの姿を見かける
人が少なく、誰もAの側に座っていないのは都合が良かった



食堂のおばちゃんに今日は鯖の味噌煮定食であるBランチを注文して、それを受け取りAの前と座る
本当は隣がいいけど…こっちの方が話しやすいから
今日のところはこの後のご褒美ともいえる時間のためにも我慢だ





「A」





前の席の良いところはAの可愛い顔を真正面から見れること
この一言に尽きる





「八左ヱ門くん！」





俺の呼びかけに
Aはもちろん俺の方を向いてくれる
それもやっぱり可愛い顔をして






でも、俺の方に問題があった







「八左ヱ門くん…？」

「ぁ…ごめん…」






ま、まともにAの顔が見れない…
いつもそういうことした次の日とかに会うと顔を見ると罪悪感を感じてしまうが
今日はその比じゃないくらいの申し訳なさでいっぱいになる
これからAが泊まる部屋で
俺は…俺はぁぁ〜〜〜〜〜！！！！！！！




好きな子の純情を裏切ったような気持ちを
胸に抱えたまま
なんとか平然を取り繕ってはこれからのことを
誰かに聞かれないように小声で話し出す






「待たせてごめんな？
もう大丈夫だからいつでも俺の部屋来ていいぞ」

「本当にありがとうございます…！
食べ終わったらお風呂に向かって
身を整えてからお邪魔させていただきますね？」








嗚呼、誰も知らない
俺たちだけの秘密
俺たちが共有しあえること
そこには誰の邪魔も入らない入れない










なんて









なんて幸せなんだろう












「うん待ってる」








罪悪感






背徳感






幸福感







その全てがAが俺に与えてくれる
一夜がもうすぐ始まる

22→←20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す