俺は恵比寿です。

助っ人 ページ5

『おはようございます。』

「あー！えびちゃんいいタイミング！」


今日は正直撮影クルーとしての仕事は無く、次の撮影がロケの為その打ち合わせで出勤したのだがフロアに入りいつも通り挨拶をすると先輩に声を掛けられた。


『…何かあったんすか？』


先輩の慌てぶりからおそらく今日の収録のどこかで欠員が出たのだろうと思っていた。


「実は別の番組でカメラマンに1人欠員が出たらしくてさ…えびちゃん今日打ち合わせだけだよね？」

『はい。』

「代わりに行ってもらえないかな？」

『でも打ち合わせが…』

「俺が出るからさ！」


想像通りの内容だったのであまり驚きはしなかったがこの様子だと今からの収録のようで、そうなると打ち合わせとブッキングしてしまう。

流石に打ち合わせの方は俺がメインクルーの1人として携わっている番組だったので打ち合わせを優先しようとするとすかさず先輩がそっちは変わるからと言ってきた。

…何でそんなに俺に行かせたいんだろう？
先輩も普段は音響だけどカメラマン経験もある筈だ。


『分かりました。ちなみにその番組って何すか？』

「それスノだよ。」


何かしら俺を行かせたい理由があるんだろうなと思いながらも聞くと先輩は少し悪い顔をしながら番組名を言った。

…それスノ？
…それSnowManにやらせて下さい？

無理無理無理！


『え、先輩！』

「おう！うちのカメラマンが1人空いてるから送るわ！」


番組名を聞かされ一瞬はてなが浮かんだがSnowManさんの番組だと頭で合致し急いで断ろうとするも先輩は既に内線電話でそれスノ担当の所へ連絡し、俺が行かざるを得なくなってしまった。


『先輩…俺なるべくSnowManさんとは遭遇しないようにしてたんすけど…！』

「仕方ねぇだろ…。それにこの業界で働いてる以上いずれ会う事になる。それだったら早く済ませといた方が良いだろ？w」

『俺に心の準備をさせて下さいよ…不意打ちはキツいっす…』

「悪い悪いw…さ、ほら行った行った！」


先輩に背中を押されとりあえずフロアを移動し、それスノのスタッフがいる部署へと足を進めた。


















−−−−−−−−−−−−


『すみません。ヘルプで来た恵比寿です。』

「え？」


それスノのフロアに着き近くのスタッフに声を掛けるとその人は驚いた顔をした。

あー…俺他の部署の人に声聞かれる事無かったからなぁ…と思いつつよろしくお願いしますと頭を下げた。





続きます.

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