愛されなかった少女

41話 ページ44

蓮side

罵詈雑言を浴びせられる。

いやだ。

違う。

お願いだから、許してよ……

そのまま目を瞑っていると何かが見えた。

斬島さんたちが戦っている。

え？私、と？

なんで。

私のせいで迷惑をかけている。

私のせいで。

私のせいで。

斬島「蓮！！目を覚ませ！！」

斬島さんの声

「きり…しま……さ、ん」

姉「あんたのせいでその人たちは傷ついているんでしょ？」

現実に引き戻される。

もう、いやだよ。

こんな世界。

なにもかも無くなればいいのに。

斬島さん、私のこと気にしないでください。

お願い、誰か。

「だれか私を殺して……」

「お願い、助けて……」



斬島side

「ガハッ！！」

カゲロウに取り込まれた蓮に押される。

このままでは俺たちも蓮もやられる。

蓮「だれか私を殺して……」

「蓮？」

カラン…………

何かが蓮のところから落ちる。

これは蓮のネックレス？

これがあれば……

「蓮、聞け。お前の家族は本当にお前を憎んでいたのか？」

蓮「………」

「母親は憎んでいたかもしれない。だが、姉は違うんじゃないか？」

蓮のネックレスにあった写真を見せる。

姉の名は葵。

「さっき、お前の姉に会った。姉はお前のことをずっと心配していた！」

蓮「………お姉ちゃん……」




蓮side

そうなのかな？

でも私のせいで……

斬島「姉はお前のことをずっと心配していた！」

そうか。

私の思い込みなのか。

姉「なに言ってるの？あなたは、」

「違う。たしかに私のせいかもしれない。だから、私は償うよ。お姉ちゃんたちの分まで生きる。そして罪を背負って生きていく。だからもう、あなたたちには惑わされない。」



斬島side

カゲロウ「なにを言っても無駄だって……………！？！」

カゲロウに変化が起きた。

カゲロウ「なっ！？目を覚ました！？な、なぜ……くそっ！完璧だったのに！！！」

蓮とカゲロウが離れる。

木舌が蓮を抱きとめる。

カゲロウは小さい怪異のようだ。

カゲロウ「た、頼む！見逃してよ！僕は現世の人たちのせいで生まれるんだよ！？」

俺はカゲロウにカナキリをむける。

「カゲロウ。たしかにそうかもしれない。だが、お前は俺たちから姉を奪った。それに生者に手を出した。お前は地獄行きだ」

カゲロウの絶叫がそこに響いた。

俺たちは蓮を救うことができた。

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