愛されなかった少女

12話佐疫side ページ13

佐疫side
「ねぇ斬島、」

斬「どうした、佐疫？」

「さっきから何を隠してるの？」

斬島に聞いてみた。

隠す必要があるのか分からないけど、聞かないと分からない。

斬「…何か宝石のようなものがあって触れてみたら蓮らしき人物の記憶が見えた。」

それって、

「マキさんの時みたいな感じ？」

マキさんの時はネックレスで触れてみたら生前の辛い過去や楽しい頃の記憶が見えたと言う。

斬「そうだ。蓮は幼い頃から母親に愛されていなかったみたいだ」

「だからあんなに傷だらけなのか……」

蓮「斬島さん、佐疫さん、どうかしましたか？」

蓮ちゃんが声をかけてきて少し驚きながら笑顔でなんでもないと答えた。

「蓮ちゃん、何かあったら言ってね。」

蓮「？大丈夫ですよ。あと、その、蓮ちゃんって言わないで蓮でいいです。何というか、恥ずかしい…」

「じゃあ俺たちのことも呼び捨てでいいよ」

蓮「いや、それは恐れ多いので……(・・;)」

蓮は頭を掻きながら答えた。

蓮「……？何か聞こえる……」

斬「？聞こえるか？」

耳を澄ましても何も聞こえないけど……

蓮「声が二つ聞こえます。多分木舌さんと谷裂さんかな？」

蓮が走って行ったので慌てて追いかける。

本当に蓮の言った通り木舌と谷裂がいた。

結構遠くにいたのに何で聞こえたんだろ？

蓮は昔から聴覚と視覚は敏感なのでと言われた。人間でもこんな人がいるんだな……

「っていうか、何をしにきたの？」

木「ん？さっき大きい音が聞こえてね。心配して来てみたんだよ」

あ、瓦礫が崩れる音か。

とりあえず事情を説明しないと。


谷「蓮の母親の怨霊化が進行してるのか……」

木「早く捕まえよう。手遅れになる前にね」

俺たちは谷裂たちと別れて探索を再開した。

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