大好きでした。 (ページ9)

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そんな気持ちを知ってか知らずか、
先輩が『あっ！』と声をあげた。

『今度さ、この辺のおいしいごはん屋さん教えてよ』

「え？」

『え？って笑
　だってこの辺りに住んでるんだったら、
　この辺のごはん屋さん詳しいでしょ？
　俺、３ヶ月ここにいるんだよね。
　だからさ、今度一緒にご飯でもいこうよ』

先輩それ本気で言ってますか…？
そんなこと考えながらフリーズしてしまった私を
先輩が不思議そうな顔で覗き込む。

『どうしたの？ダメだった？』

「あ、いや、全然大丈夫です。いいですよ、行きましょう」

『よかった。ちょっと今週は忙しいから、
　来週の金曜とかどう？』

「わかりました、予定あけときます」

『時間はまた連絡するね。
　遅いし気をつけて帰りなよ〜』

「ありがとうございます。じゃあまた…」

手を振って先輩と別れる。
約束…してしまった…

そもそも私とふたりで出かけて大丈夫なのだろうか？
あの彼女さんとは別れたのだろうか？
先輩は、私が告白したこと、気にしてないんだろうか？

先ほども言ったが、聞きたいことは山ほどあるし、
疑問に思うこともたくさんある。

久しぶりに先輩と話せる時間ができた、という喜びと
抑えていたつもりの気持ちが
溢れてきてしまったらどうしよう、という不安と、
複雑な気持ちを抱えながら、帰路についた。