大好きでした。 (ページ3)

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先輩方の卒業を間近に控えたある日、
サークル女子会という名の飲み会が開かれた。

“ 最近いい話ないのー！？ ”
って誰が言い出したかなんて覚えてないけど
ありがちな恋バナが始まった時、
目の前に座った私より小柄でかわいい先輩が
《実は…彼氏出来たんだよね》
って言って名前を上げたのは、私が大好きだった先輩。

周りは口々に
“ ええー！ ” “ おめでとうございます！ ”
“ やっとくっついたか… ”
なんて驚きとお祝いの言葉述べてたから、
「そう…なんですね…！」と何とも無いように
相槌をうったが、
顔が引きつっていなかったかなんて、自信はない。

それから1週間後に行われた追いコン。
ソファーやローテーブルがある
ちょっとオシャレなイタリアンバルを
貸し切って開催された。
" 彼女がいる "と知った後、はじめて会う先輩。
なんとなく気まずくて話しかけられなかった。

次々と挨拶をしていく4年生の先輩。
ついに大好きな先輩の番。
『みんなと過ごせて楽しかったよ』なんて
ベタすぎる挨拶で済まそうとする先輩に
“ そんなぬるい挨拶じゃなくて、報告することあるだろ！！ ”
なんてヤジが飛ぶ。
周りにはやし立てられ、彼女を呼ぶ先輩。
彼女さんも照れながら隣へ向かう。

『あの…付き合うことになりました』
なんて先輩の口から報告された。
1番聞きたくない言葉。
本人から言われるまで信じてなかった、
いや、信じたくなかっただけ。
でも、やっぱり事実だったんだ。
お酒も飲んでテンション上がってるみんなが
すっごい茶化してたけど、
私は2人に背を向けたまま、
そのまま顔を見ることなんてなかった…