1時間目 ページ2
〜A視点〜
桜が、舞っている。
そんな光景を見て歩く。
季節は春。進学の季節だ。
私は2歳上の兄を追って、この高校に入った。
「なんか久しぶりやなぁ。2人で通学するの。」
横に並んで歩いている兄が急に口を開いた。
そうだなぁ、と共感しながら、
「2年ぶり、じゃない？私とレト兄が2歳違いなんだから。」
そう言葉を発した。
「せやな。」
とレト兄は軽く返事をした。
「よぉ！レトさんにA！」
「あ、キヨ！」
後ろから聞こえてきた声の主は、キヨだった。
キヨとは幼稚園の頃からずっと仲良くしている。
いわゆる幼馴染、ってやつだ。
もちろんそれ以上の関係でもそれ以下の関係でもない。
あ、親友、ではあるけどね。
「そうやった！キヨ君もこの高校やねんな！めっちゃ安心するわ！Aのこと任せたでぇ！」
私とだけじゃなく、キヨはレト兄とも仲がいい。
だから毎年こんな感じ。
私から言わせてもらえばもう高校生なんだからキヨなしでも大丈夫なのに。
ほんと家の兄はお節介だ。
おかんかよ。
「もっちろん！Aの事は俺に任せてつかぁさい！！」
キヨはキヨでその反応、やめてよね。周りの視線が痛い。
なんて考えながら歩いていた。
「あ、クラス表あるやん！見てこよか！！」
とレト兄に手を引っ張られて連行された。
校舎を見ながらゆっくり行きたかったなぁ。
────
「俺は3年1組やな。Aは何組やった？」
とレト兄がこちらを見た。
「私もキヨも一年一組！」
毎年のように自慢げに言うと、レト兄がふっ、と笑った。
私はレト兄のその顔が大好きだ。
絶対ゆうてやらんけど。
「お、本当じゃん！よろしくなー！A！」
「うん！よろしく！」
そんなふうに他愛のない話をしていると、聞いたことのある声が後ろから聞こえてきた。
相手も私に気付いたようで、
「あれ、A…？」
とボソッ、と呟いた。
その呼び方は、その声は。
あの人だ。
「え、こー、ちゃん？」
そう言って振り向くと、そこには私のいとこであるこーちゃん、今井広助が立っていた。
────
追加キャラ
今井 広助 ── imai kosuke ──
高1 16歳 1-1
Aの従兄弟。
Aの良き相談相手。
？？の事が好き。
クラス委員。
通称「こーすけ」 「こーちゃん」
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←朝のホームルーム
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えびまる。 | 作者ホームページ：http://mobile.twitter.com/ebimaru6251002
作成日時：2018年12月23日 20時
